人はなぜ、甘くて美味しいものを食べると幸せな気持ちになれるのか
残りの人生あと何回桜が見れるだろうか。。桜をこよなく愛する日本人なら必ずそう考える瞬間があります。同じように人生であと何回甘くて美味しいものが食べられるのか。
日本には老舗和菓子がたくさんあります。日本の美しい季節、未来に引き継いでほしい心温まる風習、花鳥風月を大事にしています。伝統の味を守りながらも、攻めの姿勢で新しい和菓子作りに取り組むものづくりにかける想いは同じ升作りに通じるものがあります。私たち禅抹茶枡も日本の季節や行事を大事にし小さな升で表現することに努めております。
若い人の和菓子離れが進む中で、ここでは老舗の和菓子と升にいれた一杯のお茶を楽しみながら、甘くて美味しい人生についてつれづれなるままに書いています。ご家族やお友達、そして海外の人と一緒に甘くて美味しい時間を過ごせられますように・・・
まるで陶器??日本○○のお菓子
奈良時代、中国の唐から伝わり1000年以上もその形と味を変えずに令和の時代まで受け継いできたというだけで驚愕のお菓子が京都にあります。亀屋清永の「清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)」。お菓子の名前といいその見た目といいインパクト大の日本最古のお菓子はこのスペースだけでは収まりきらないほど歴史物語があります。続きを読む>>
黒糖生地とやわらかいあんが何個でもいける
宗家源吉兆庵の黒糖風味の蒸しどら(¥195)ふわふわの黒糖蒸しパンと甘みあっさりのやわらかいあんこは、いくらでも食べれます。今年もあと2ヶ月弱、即位の礼まで残すところあと3日。改元の年ということで改めて亥がデザインされた亥枡でいただきました。
ぴちゃん!たゆたうと泳ぐ金魚と夏の夜
必ずお皿に受けてひっくり返さずにはおれないゼリーといえば金魚ゼリー。笹屋伊織の金魚ゼリーを同じく金魚枡と一緒にいただきました。お皿の代わりに枡に入れるとさらに風流。ここに風鈴の音があれば、日本独特の「目で楽しむ、耳で楽しむ、夏の夜」。おもてなしにもなりそうな 金魚づくりのティータイム。
京都の夏が来たね〜
「夏になると食べたくなるなる」三条若狭屋の「祇園ちご餅」。竹皮をデザインした紙に短冊がついた色鮮やかなパッケージを開くと、白味噌が中に入った求肥。表面にはきらりと光る氷餅がまぶしてあり、冷たくないのに、なぜか清涼感を感じさせる。祇園祭で活躍するお稚児さん達にご飯代わりに竹串でぱくりと食べられるように創意工夫して誕生したと言われるちご餅。お稚児さんを大切に愛でる京都の人の優しさあふれる和菓子を冷茶を鯉枡に注いでいただきました。
社名よりも知名度の高い和菓子
この和菓子ほど会社名よりも知名度が先行している和菓子はないのではないかと思ってしまうほど有名な『阿闍梨餅』。比叡山で厳しい修行をする高僧=阿闍梨があぶる笠にちなんで名付けられた商品名。もっちりとした外側の皮が特徴。4月の京都の桜満開にちなんで桜枡に甘酒を入れていただきました。春です。満月という会社の和菓子です。
2019ヒット和菓子はまるで和風マシュマロ
富山県の不破福寿堂の鹿の子餅。テレビで林修先生が絶賛していた気合に負けて購入。今年のアタリ和菓子でした。それはそれは雪のように真っ白でマシュマロのようなお餅の中にかわいい金時豆がちょこんと入った和菓子。和風マシュマロといった感じです。銘菓と呼ばれる和菓子の共通点は甘さが非常に上品であること。2019年の干支亥枡の組み合わせでダブル縁起な年になりそうです。
作ってたべる体験型最中
たねやといえば、この『ふくみ太平』。最中種に求肥の入ったあんを食べる直前にセットインする、まさにDIY最中。最中種のサクッサクがたまりません。濃いめの抹茶をいれた相撲枡でいただきました。お父さんにも喜ばれる組み合わせ。
小粒でも個性が光る 玉寿軒
京都にある本家玉壽軒(たまじゅけん)の「紫野」。空気感たっぷりの柔らかい落雁の中には、ぽつんと一粒大徳寺納豆。梅干しと味噌を混ぜあわせたような甘じょっぱい味の甘納豆。小粒でもきらりと光る個性的な和菓子。2019年の新作、干支亥升にお白湯をいれてほっと一息。今年は、小粒(背が低い)でも玉のようにきらりと光る自分になれたらいいな、と思いながらいただきました。
泳ぐ宝石と言われる鯉と双璧をなす鯛最中
明石鯛として有名な兵庫県明石。そこの老舗和菓子といえば、分大の鯛最中。甘さ控えめなこしあんゆえに1個だけでは止まらない。ハレの日や、おめでたい席など、全ての慶事をカバーする最強の魚、鯛。その鯛に双璧をなす、東洋では古くから出世魚とみなされ今でも端午の節句で鯉のぼりとして親しまれている鯉。レーザーカットされた今にも天に昇りそうな勢いのデザインの錦鯉の升に濃いお煎茶をいれ一服。その日はおめでたい日でもなんでもないごく普通の1日でしたが、美味しい和菓子とお茶を楽しめる時間がもてるのもまた人生のハレの時間と言えるのではないかと思いながらいただきました。
MADE WITH LOVE AND CARE
禅抹茶升と愉しむ老舗和菓子が、長く愛されている理由は、
作り手の目に見えない想いが目に見える菓子の形状や深みのある味となって
表現されているからではないでしょうか。
甘くて美味しいものをいただくときは、人は思わず顔がほころびます。
まさに「和」の菓子。
私たちも、おめでたい柄がデザインされた升を作るのは、
そのデザインや木升を通して、贈る人も贈られる人も
平和に、そして思わず笑みがこぼれる時間を作っていただけたらという想いで
ものづくりに励んでおります。
明日は誰と和菓子と升でほっと一息しましょうか。。。。