老舗和菓子と愉しむ升

甘くて美味しいものを食べると人はなぜ幸せになれるのか

残りの人生あと何回桜が見れるだろうか。。桜をこよなく愛する日本人なら必ずそう考える瞬間があります。同じように人生であと何回甘くて美味しいものが食べられるのか。

日本には老舗和菓子がたくさんあります。日本の美しい季節、未来に引き継いでほしい心温まる風習、花鳥風月を大事にしています。伝統の味を守りながらも、攻めの姿勢で新しい和菓子作りに取り組むものづくりにかける想いは同じ升作りに通じるものがあります。私たち禅抹茶枡も日本の季節や行事を大事にし小さな升で表現することに努めております。

若い人の和菓子離れが進む中で、ここでは老舗の和菓子と升にいれた一杯のお茶を楽しみながら、甘くて美味しい人生についてつれづれなるままに書いています。ご家族やお友達、そして海外の人と一緒に甘くて美味しい時間を過ごせられますように・・・

愛でる時間を楽しむ和菓子

ほろほろと口どけまろやか御所車

清閑院の雅車。「ほろほろとした」食感というのがぴったりな上品な和菓子。中に栗餡と小豆餡が入っています。ティーバックのお煎茶と一緒にいただきました。UV印刷した升。

トマトが和菓子に変化(へんげ)した!

 清閑院の夏限定の朝摘みトマト葛まんじゅう。寒天でつくられる一般的なゼリーと違って、角のない柔らかさというかまったりとした葛。その葛に包まれたトマト餡は濃厚な香りとさっぱりとした甘さです。口に運ぶまでは味が想像できないため、来年もまた食べていたくなる和菓子です。天使の羽のクリスマス升でいただきました。

ぴちゃん!たゆたうと泳ぐ金魚と夏の夜

必ずお皿に受けてひっくり返さずにはおれないゼリーといえば金魚ゼリー。笹屋伊織の金魚ゼリーを同じく金魚枡と一緒にいただきました。お皿の代わりに枡に入れるとさらに風流。ここに風鈴の音があれば、日本独特の「目で楽しむ、耳で楽しむ、夏の夜」。おもてなしにもなりそうな 金魚づくりのティータイム。

京都の夏が来たね〜

「夏になると食べたくなるなる」三条若狭屋の「祇園ちご餅」。竹皮をデザインした紙に短冊がついた色鮮やかなパッケージを開くと、白味噌が中に入った求肥。表面にはきらりと光る氷餅がまぶしてあり、冷たくないのに、なぜか清涼感を感じさせる。祇園祭で活躍するお稚児さん達にご飯代わりに竹串でぱくりと食べられるように創意工夫して誕生したと言われるちご餅。お稚児さんを大切に愛でる京都の人の優しさあふれる和菓子を冷茶を鯉枡に注いでいただきました。

シャリシャリシャリ氷のような食感和菓子

砂糖・小豆・寒天の材料のみで作られた大阪四天王寺にある河藤の通。まるで氷が張られたような薄い膜の向こうにぷるぷるの寒天に閉じ込められた小豆が透けて見えます。包装紙の通の男前な文字にならって、今回は、升も男前な伊達政宗の兜升を使用。そこにほろ苦いカプチーノを注ぎました。コーヒーにもいける通です。

社名よりも知名度の高い和菓子

この和菓子ほど会社名よりも知名度が先行している和菓子はないのではないかと思ってしまうほど有名な『阿闍梨餅』。比叡山で厳しい修行をする高僧=阿闍梨があぶる笠にちなんで名付けられた商品名。もっちりとした外側の皮が特徴。4月の京都の桜満開にちなんで桜枡に甘酒を入れていただきました。春です。満月という会社の和菓子です。

2019ヒット和菓子はまるで和風マシュマロ

富山県の不破福寿堂の鹿の子餅。テレビで林修先生が絶賛していた気合に負けて購入。今年のアタリ和菓子でした。それはそれは雪のように真っ白でマシュマロのようなお餅の中にかわいい金時豆がちょこんと入った和菓子。和風マシュマロといった感じです。銘菓と呼ばれる和菓子の共通点は甘さが非常に上品であること。2019年の干支亥枡の組み合わせでダブル縁起な年になりそうです。

作ってたべる体験型最中

たねやといえば、この『ふくみ太平』。最中種に求肥の入ったあんを食べる直前にセットインする、まさにDIY最中。最中種のサクッサクがたまりません。濃いめの抹茶をいれた相撲枡でいただきました。お父さんにも喜ばれる組み合わせ。

銘菓ほど引き算の甘みに達する 山川

日本の三大銘菓の1つ、松江風流堂 山川。「老舗和菓子と楽しむ升」を書き始めてまだ1ヶ月も経たずしてこんなにも早く日本三大銘菓の1つ山川と出会えるとは思っていませんでしたが、お茶を習っていると、こういう銘菓のご縁が不意に訪れるものなのですね。(やっててよかったくも、五十の手習い)控えめな弾力、控えめな甘さ。日本人の控えめな美徳を和菓子で表現したらこんな感じになる、そんな美しい茶菓子でした。

すっきりした無駄のない甘さ

長野県にある小布施堂の落雁。他の落雁にはない甘さを感じるのは栗菓子を専門にしているお店だからか。栗の風味によるものなのか、舌にひっかかるような甘さがありません。5勺枡にすっぽり入る大きさも心を射止めました。無駄のない大きさ、無駄のない甘さは、枡も和菓子も通じるものがあります。茶席でいただいた1枚でしたが、今度はお取り寄せして5勺枡にいれて友達にプレゼントしてみようかな。

小粒でも個性が光る 玉寿軒

京都にある本家玉壽軒(たまじゅけん)の「紫野」。空気感たっぷりの柔らかい落雁の中には、ぽつんと一粒大徳寺納豆。梅干しと味噌を混ぜあわせたような甘じょっぱい味の甘納豆。小粒でもきらりと光る個性的な和菓子。2019年の新作、干支亥升にお白湯をいれてほっと一息。今年は、小粒(背が低い)でも玉のようにきらりと光る自分になれたらいいな、と思いながらいただきました。

一点集中全面展開の六瓢息災

東京の廣尾 瓢月堂(ひろお ひょうげつどう)の一口サイズの「六瓢息災」。縁起物の瓢箪が六つも揃うともはや無敵の「無病」息災。語呂合わせ大好き日本人の洒落っ気たっぷりのネーミング。3勺升ほどの小さな一口サイズながらも、体を温めるはちみつ漬けの生姜と木の実をふんだんに混ぜ込んだフィリング。そしてこのずっしり感!「小さくても体にいい滋味あるものを詰め込む」というその一点に集中した職人の想いが感じられる作品。なによりもキューブ型に惚れました。1つ1つ個装されているので升にすっぽり2個ずついれて新年のご挨拶のプチギフトに利用させていただきました。

泳ぐ宝石と言われる鯉と双璧をなす鯛最中

明石鯛として有名な兵庫県明石。そこの老舗和菓子といえば、分大の鯛最中。甘さ控えめなこしあんゆえに1個だけでは止まらない。ハレの日や、おめでたい席など、全ての慶事をカバーする最強の魚、鯛。その鯛に双璧をなす、東洋では古くから出世魚とみなされ今でも端午の節句で鯉のぼりとして親しまれている鯉。レーザーカットされた今にも天に昇りそうな勢いのデザインの錦鯉の升に濃いお煎茶をいれ一服。その日はおめでたい日でもなんでもないごく普通の1日でしたが、美味しい和菓子とお茶を楽しめる時間がもてるのもまた人生のハレの時間と言えるのではないかと思いながらいただきました。

ミステリアスな味 花びら餅 

お正月といえば、花びら餅。裏千家の初釜でも登場します。淡いピンクの求肥餅から透き通るように見えるのは白みそあん。その中にはやさしい味付けのごぼうと人参。ごぼうが使われたのは平安時代の新年行事の歯固めの儀式から由来。マイルドなしょっぱさと甘さがなんともミステリアス。若い人は無口になりそうな味ですが、平安時代の宮中から広がったロマンあふれる雅な和菓子。今年も雅な一年でありますように。そしてあと何回人生で花びら餅がたべられるのでしょうか。そう思いながらお屠蘇と一緒にいただきました。

 

MADE WITH LOVE AND CARE

禅抹茶升と愉しむ老舗和菓子が、長く愛されている理由は、
作り手の目に見えない想いが目に見える菓子の形状や深みのある味となって
表現されているからではないでしょうか。

甘くて美味しいものをいただくときは、人は思わず顔がほころびます。
まさに「和」の菓子。

私たちも、おめでたい柄がデザインされた升を作るのは、
そのデザインや木升を通して、贈る人も贈られる人も
平和に、そして思わず笑みがこぼれる時間を作っていただけたらという想いで
ものづくりに励んでおります。

明日は誰と和菓子と升でほっと一息しましょうか。。。。